アートフェアはオープンなアートマーケットの中心的な役割を担っています。国内外から多くのギャラリーが一堂に会し、展示販売することで、その時代の作品やギャラリーの比較、価格の調整という機能を果たし、アートマーケットの信頼性と流動性を提供します。
アートフェア東京は、古美術・工芸から、日本画・近代美術・現代アートまで、幅広い作品のアートが展示されるフェアとして、2005年から開催している、日本最大級の国際的なアートフェアです。
過去からつながるアートの文脈を示しながら東洋と西洋、今と昔をつなぐアートマーケットのプラットフォームとして、アートフェア東京は発展し続けています。
アートフェア東京は、「ギャラリー」「クロッシング」「プロジェクト」の3つの展示セクションがあります。
国内外で活躍するコマーシャルギャラリー・美術商が出展する「ギャラリーズ」。このセクション最大の魅力は、時代やジャンルを越えて、古美術のコレクターが現代アートに出会ったり、現代アートのコレクターが古美術を購入したりするなど新たな関心と関係を生み出すことです。縄文土器や東アジア伝来の古美術、江戸時代の浮世絵や印象派の巨匠など歴史的な美術品から、成長著しい国内外の現代アートまでが並ぶフェアは、海外ではなかなか見られず、複雑かつ成熟した日本のマーケットの縮図を体験できます。
多彩なアートの分野が交差するセクション、「Crossing(クロッシング)」には、日常生活に根付きながら日本美術市場で大きな存在感を放つ百貨店が企画するブースや、数百年の伝統と日本各地の文化を今に伝える地方工芸団体、そして、多様な価値観で表現される現代アーティストなど、まさに日本のアートシーンを支えるバラエティに富んだアートの新たなジャンルが集合し、最新のアートシーンを発信します。
これからのアートシーンで注目すべき作家を個展形式で発表するプロジェクツは、日本の未来のアートシーンを発信します。同形のブースが連なることで、それぞれの個性が際立ち、作家の凝縮された世界観を見比べられることが特徴です。
アートフェア東京の前身は、1992年にパシフィコ横浜で始まったNippon International Contemporary Art Fair (NICAF)です。NICAFは、アジア初のメジャーな現代美術のアートフェアでしたが、低調な日本経済の中、8回の開催で幕を閉じることになりました。
日本のアートマーケットの状況及び強みを分析し、現代アートだけでなく、日本特有な古美術や近代美術等を含んだ形でのアートフェア、“アートフェア東京”を東京国際フォーラムを会場として2005年に新たに開催致しました。
2012年から、会場を拡張し、展示ホール5,000m2を会場とし、来場者も50,000人を突破しました。
2016年に開催体制を変更、ギャラリーを中心としたアートマーケットの中枢としての役割を担うと共に、様々なフィールドでのアートの役割を広げています。