長い歴史を独自に育んできた日本には、素晴らしい美への価値観や技術があります。同時にアートは世界と常に繋がっています。こうした内外の刺激を受けながら進化する日本のアートについて、またそれを育んできたアートマーケットについて、幅広い観点で深堀していきます。
竹内真ーコレクションをつくる、見せる、味わう
アートマーケットの担い手として、時にその言動に注目が集まるアートコレクター。WHAT MUSEUMでのコレクション展が話題となっている竹内真さん。作品にどう向き合い、コレクションとして積み重ね、コレクション展として表現された現在の心境をお聞きした。
山本浩貴ーアートの価値を社会の仕組みから考えてみる
アートは美術史や美学的価値として語られることが多いが、社会を形成する一要素として、社会学の視点からアートの役割や価値を捉えてみるとどのようにみえるだろうか。そんな新しい視点をわたしたちに投げかけてくれる研究者であり批評家であり、キュレーションや作品制作もおこなう山本浩貴さんにお話を聞いた。
大胡玄ーコロナ禍がもたらした海外アートマーケットの影響と変化
「この3年間世界は未曾有のコロナウイルスに世界は大きな変化を遂げることとなった。様々な産業で、リストラ・リモートワーク・新業態への変革などの試練があり美術業界でも同様の影響があった。」と語るのは、大胡アートアドバイザリー合同会社のオーナーで、アートアドバイザーの大胡玄さん。世界的に蔓延した感染症のなかで、アートの購入はどのような影響を受けたのか、大胡さんに分析いただいた。
今津浩太(瞬生画廊)ー お客様と作品をつなげ、未来に価値を残す
かつては画廊が300軒とも400軒あったともいわれる銀座。そこに1973年からの歴史を刻んできた瞬生画廊は、香月泰男の50回にもわたる展覧会を通して作家とお客様を見守りつづけてきました。画廊が果たしてきた役割について、オーナーの今津浩太さんにお話を伺いました。
浦上満(浦上蒼穹堂)ー 価値を知り、味わい、伝える
古美術の世界で約50年活躍されてきた浦上満さんに、美術商としてのスタート地点から今にいたるなか、大切にされてきたことをお聞きしました。そこにあるのは世代を超え、地域を超えて優れた美術品を引き継ぎながら、価値を再発見し、堪能し、伝えるという仕事でした。
牧正大 ー ギャラリーのCredibility(信用度)を上げるために
MAKI Galleryのオーナー牧正大さんは、海外のアーティスト、ギャラリーと広く交流し、アートフェアにも参加してきました。そのなかで自らのギャラリーでも実践している、creditabilityを上げるために行っていることを、実際に体験したことをもとに語っていただきました。
小山登美夫ー欧米、アジア、日本のアートシーンを俯瞰する
日本のアートシーンの現場で、長くアートマーケットに携わってきた小山登美夫さん。小山さんの活動は、日本だけでなく、世界のアートマーケットが大きくなっていった歴史と重なっています。アートフェアの発展、アジアマーケットの拡大など、小山さんの目が捉えた時代の変化を語っていただきました。
久保田真帆ーギャラリーも、アーティストも戦略的に、未来を見つめる
「ギャラリーとして扱いたい作品やおつきあいしたいアーティストは”好き”だけで選んでいるわけでないんです。“好き”という直感は大切ではありますが、そこにプラスαがないと。それはまずオリジナリティ、そして継続性であり、そこから生まれる作品の強度です」そう語るMAHO KUBOTA GALLERYのオーナー久保田真帆さん。アーティストとの関係や、ギャラリーがめざすことをお聞きしました。
夢工房ー作家の価値を高めるために できることを模索
2021年のアートフェア東京初出展で、四代田辺竹雲斎の度肝をぬくインスタレーションで話題をつくった夢工房。歴代の竹雲斎を扱う古美術商であると同時に、プライマリーギャラリーとして現代美術家として活躍する四代目の作品を扱う。これらを一本の線につなげるために取り組んだことを、オーナーの木山賢一さん、ディレクターの中島章さんにお聞きしました。